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山我哲雄『キリスト教入門』 [書籍紹介・リスト]

山我哲雄『キリスト教入門』山我哲雄『キリスト教入門』(岩波ジュニア文庫792)、岩波書店、2014年、11+236+6頁、860円+税。



特 徴

・教養書として、ユダヤ教との関係、歴史上のナザレのイエスについて、キリスト教の成立と東西分裂まで、キリスト教の教派について(特に、カトリックと正教会)、そして、宗教改革とプロテスタント教会について。

・聖書入門的なことや、信仰内容、礼拝の形などについては、必要に応じて触れられるだけで、まとまった仕方では述べられていない。

・ユダヤ教との違いを、受け継いだものと受け継がなかったものに分けて端的にまとめているのは、分かりやすい。

・ジュニア向けの本で、しかも「キリスト教」という宗教の入門というタイトルで、 史的イエス研究の観点でのイエス像を語る のは、はたして適切だろうか?

・4~6章で、 東方正教会とローマ・カトリックの相違 を、歴史を踏まえてポイントを押さえることができるのが、この本の大きな特徴。

・英国教会の複雑な成立の経緯を実に簡潔に分かりやすく記しているが、その他のプロテスタント各派の相違はおおざっぱすぎなのはまあ、仕方がないか。



内容紹介

第1章 ユダヤ教とキリスト教

キリスト教がユダヤ教から受け継いだものとして、 唯一神信仰、契約思想、メシア思想、終末論 の四点を挙げる。

キリスト教がユダヤ教から受け継がなかったものとして、選民思想と律法至上主義 の二つを挙げる。


第2章 ナザレのイエス

信仰を持たない一般の人向けの教養書ということで、信仰の立場からではなく、歴史上の人物として「ナザレのイエス」を研究する学問分野があるよということで、その視点でイエスの生涯をたどる。


第3章 キリスト教の成立

イエスの復活と、贖罪としてのイエスの死の理解、罪の観念の変化など、エルサレム初代教会の成立、パウロの回心と信仰義認論、異邦人伝道など。


第4章 キリスト教の発展――キリスト教の西と東――

ローマによるキリスト教迫害と公認の歴史、キリスト論や三位一体論の発展と公会議、ローマ帝国の東西分裂後、東と西のそれぞれで発展したことによる東方教会と西方教会の相違など。


第5章 ローマ・カトリック教会

ローマ・カトリックのヒエラルキー、七つのサクラメント、煉獄、聖母マリア崇敬、守護聖人、修道会などの特徴、第二バチカン公会議、日本伝来と影響など。


第6章 東方正教会

東方正教会の組織と現況、神品(聖職位階制度)、七つの機密、正教会独特の用語や特徴、ロシア革命からベルリンの壁崩壊とロシア正教、日本の正教会についてなど。


第7章 宗教改革とプロテスタント教会

ルターと宗教改革の三大原理(聖書のみ、信仰のみ、万人祭司説)、ルター派の現在、スイス、フランスの宗教改革、長老制、予定説と資本主義の成立の関係、英国教会成立の経緯と世界各地の聖公会、ピューリタン諸派(長老派、会衆派、バプテスト派、クエーカー派)、ピューリタン革命、ジョン・ウェスレーとメソジスト教会、救世軍、その他、日本のプロテスタント教会(横浜バンド・熊本バンド・札幌バンドから日本基督教団の現在まで)。


おわりに キリスト教と現代

ファンダメンタリズムと福音派、聖霊派(ペンテコステ派)、キリスト教系の新宗教(モルモン教、エホバの証人、統一教会)、エキュメニズム運動など。