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左近淑の詩編研究 [読書メモ]


左近淑『詩篇研究』.JPG

左近淑、『詩篇研究』、新教出版社、1971年。

後に、新教セミナーブック9。

20の詩編を文学形態に分類して取り挙げて、それぞれに、私訳と本文批評、段落構成や詩的技巧・統一性・類型など、注釈、そして、むすび。

雑誌(『福音と世界』)の連載が元になっているので、字数の都合上、比較的短い詩編が取り上げられている。

「はしがき」から

「釈義とは、聖書を説き明かすことにより、心が内に燃えることである。」(小塩力)

(「はしがき」p.2で紹介されている。句点・読点を付加、送り仮名修正。)

「神がわからなくなったら、詩篇を声を上げて繰り返し読め。」

(「はしがき」p.2、句読点とかな表記を修正。)

「本文批評の背後にある基本的な立場とか古代訳の評価の規準などについては、・・・『新聖書大辞典』の中の拙文「聖書の本文(旧約)」、「聖書の古代訳」を参照されたい。」

(「はしがき」p.6)

「序 注解書について」から

「序 注解書について」では、本書で引用される詩篇注解者(書)の、詩篇研究史の中での位置を明確にする。

● 注解書の読み方

「注解書というものはただ手当たり次第に沢山読めばよいのでもなく、またその反対に評判のよいものを一、二冊それが唯一の正しい解釈であるかのように思い込んで読むのも正しくない。注解書は聖書に代わりうるものでなく、われわれが聖書から上なる言葉を聞きとる助けのひとつであり、確かにわれわれの恣意的な読み方を正し、深め、高めてくれるものもあるけれども、それ自体方法論的限界をもち、ひとつの相対的な解釈を示すにすぎないからである。」

(p.17)

● 詩編の研究史

近代旧約学の方法論的展開に即して、やや細かく五期に分類して概観。

第一期 文法的・歴史的方法論(デリッチ、キルパトリック)

第二期 進歩発展論的方法論(ドゥーム、ブリッグス)

第三期 形態史的方法論(グンケルとその流派)

第四期 祭儀史的方法論(モヴィンケルとその流派、A.H.シュミット、B.ワイザー、C.クラウス)

第五期 構造論的方法論(仮称) ヴェスターマン

本編について

「賛美のうた」、「哀歌」、「典礼歌」の三つに分類

  • 「賛美のうた」「賛美」として29、114、8、65。「個人の感謝のうた」として32。
  • 「哀歌」「個人の哀歌」として6、38、42-43、51。「民族の哀歌」として60、90、20、21、46。
  • 「典礼歌」15、24、132、2、50。

取り上げられている詩編(番号順リスト)

2、6、8、15、20、21、24、29、32、38、42-43、46、50、51、60、65、90、114、132。

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